巨大なちいちゃんの日記

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統率者よ永遠に⑧特別編「構築済デッキ スリヴァーの群れ」

お久しぶりです巨大です!

今回は特別編として、一体の統率者ではなく、統率者マスターズの構築済デッキより、「スリヴァーの群れ」についておすすめポイントやデッキ調整のポイントについて語ろうと思います。

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巨大は幼少期にデュエル・マスターズの漫画でMTGに初めて触れたのですが、主人公の切札勝舞がよくスリヴァーを使っていたことから、いつかスリヴァーをテーマとしたデッキを組みたいと思っていました。

そんなことを頭の片隅におきながらEDHに勤しんでいたところ、なんと、スリヴァーの構築済デッキが発売という情報が流れてきたではありませんか!近場のショップでは構築済デッキ四種セットの予約しか受け付けておらず、一旦見送ろうとも思ったのですが、発売日に一般販売する店舗があるとの噂を聞き、開店前に並んでなんと!購入することができました!!!

 

今回の構築済デッキのポイントはやはりスリヴァーデッキを組むにあたって必要な多様なスリヴァーが一気に手に入るというところでしょうか。

スリヴァーは歴史が長く、様々な能力をもったスリヴァーが存在します。そして、スリヴァーという種族の最も重要な特徴は全てのスリヴァーが能力を共有するということです。

そのため、飛行などの回避能力や、被覆や破壊不能などの除去耐性を場のスリヴァー全体に共有していくことで盤石なアドバンテージを得ることができます。

ただし、多くのスリヴァーは「あなたがコントロールするスリヴァー」ではなく「場のすべてのスリヴァー」に能力を共有してしまうので、同じくスリヴァーをテーマとしたデッキにあたった時はご注意を!

構築済デッキには「風乗りスリヴァー」などの飛行を付与するスリヴァーや、破壊不能を付与する「巣主スリヴァー」、被覆を付与する「水晶スリヴァー」をはじめとした多種多様なスリヴァーが新録カードも合わせて40種類以上一気に手に入ります。


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これをベースに統率者にあわせてスリヴァーを足し引きして調整していくと、自然とデッキが組み上がっていくと思います。なので、巨大のように一からスリヴァーデッキを組むぞ!という方にはとてもおすすめです。

 

統率者について

スリヴァーの群れ」に収録されている使用可能な統率者はパッケージを飾る「スリヴァーの墳母」、先ほども紹介した「巣主スリヴァー」、そして「生物学者、ルカルメル」の3体です。まずは、「スリヴァーの墳母」について。

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このクリーチャーは統率者戦に向けて作られた新録のスリヴァーです。まず、第一の能力として「あなたがコントロールするスリヴァーにはレジェンドルールは適用されない」を持ちます。これは第二の能力のための能力なのですが、この時点で少し強いのでは?とこの記事を書いていて思いました。理由は後述します。そして第二の能力は「あなたの墓地にある各スリヴァー・クリーチャー・カードは再演Xを持つ。Xはそれのマナ総量に等しい」です。再演は統率者レジェンズから登場した割と新めのメカニズムで、墓地にそにクリーチャーがある状態で再演コストを支払うと各対戦相手ごとにその対戦相手を攻撃するコピーを生成します。(4人対戦なら3体)この時、レジェンドルールが適用されてしまうとコピートークンが消滅してしまうので、それを防ぐために第一の能力があるわけです。再演で生成されるコピートークンは速攻を持ち、ターン終了時に破壊されます。全除去などでブロッカーをどかして墓地をスリヴァーで肥やし、一気にスリヴァーを再演することで全ての対戦相手に大ダメージを与えることができます。そして、第三の能力として自身も再演5を持ちます。自身が再演を持つことで、一度墓地に落とされても墓地から再演で唱えることができるので統率者税を節約することができます。また、能力の影響を受けるのは「自分の墓地にあるスリヴァー」だけなので、スリヴァーミラーでもアドバンテージを得ることができます。

このカードの能力をフルに扱うためには、墓地に大量のスリヴァーがあること再演用の大量のマナ(無色でも可)の2点が重要になると思います。個人的には前者の条件が厳しいと感じました。スリヴァーという種族の特徴上、できるだけ横並びにキープして盤面のアドバンテージを得続けることが重要だと考え、積極的に墓地に落としていくというデッキプランはどこか後ろ向きのような気がしたからです。あと、破壊不能とかを付与する戦法なので、追放除去をくらって結局墓地に落ちないっていう場面も多いのでその点も気になりました。なので今回は統率者としての採用を見送りました。

 

次は「巣主スリヴァー」です。

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こちらはシンプルに自分のコントロールするスリヴァーに破壊不能を与える能力です。スリヴァーはやはり横に展開してこそアドバンテージを得られる種族なので除去に対する耐性をしっかりつけていきたいところ。統率者に指定すれば追放されようが何をされようが蘇ります。しかしこちらも決定打に欠けるため統率者としては不採用。

 

最後は「生物学者、ルカルメル」です。

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このクリーチャー自身はスリヴァーではありませんが、スリヴァーを強力にサポートする能力を持っています。

ルカルメルが戦場に出るに際しクリーチャー・タイプを一つ選びます。そして自分がコントロールするスリヴァーと、トークンでないクリーチャー(墓地や手札、山札などを含む)は本来のクリーチャー・タイプに加えてその選ばれたクリーチャー・タイプを持つ、という能力を持ちます。加えてスリヴァー・トークンを生成する能力も持っているので、スリヴァーのみトークンでも選ばれたクリーチャー・タイプを与えられます。私はまだまだ部族コンボには詳しくないですが、クリーチャーの何割かを別の部族にしてスリヴァーを指定して「こいつはスリヴァー」と言い張ったり、反対にデッキのほとんどをスリヴァーにしておいて別の種族を指定して「こいつはスリヴァー・人間」と言い張ったりすることができます。色々な可能性を感じるカードですが、今回はできるだけ混じりっ気なしのスリヴァーデッキを組みたかったので不採用。

 

この時点で構築済デッキに収録されている全ての統率者候補は不採用となったわけですが、今回統率者として採用したのは次のカード!

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そう!「スリヴァー軍団」です。シークレットレイヤー版がお安く手に入ったのでそちらを採用しました。

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このカードは、自身を除いたスリヴァーの数だけ+1/+1修正を与える能力を持ちます。スリヴァー限定の「旗印」みたいな感じですね。

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スリヴァーを横並びにすることで全体のサイズを上げ、一気に対戦相手のライフを削っていくデッキプランです。自身のスタッツも7/7と大きいため、飛行などの回避能力を付与しつつスリヴァーを並べていけば統率者ワンパン21点も狙えます。メインで使っているムルドローサデッキが無限コンボを主軸としたデッキプランなので、今回はアグレッシブなコンバットしまくりデッキにしてみました。

 

マナベースについて

構築済デッキは基本的に収録されているカードを入れ替えてデッキパワーをあげていくことで構築戦に耐えるレベルのデッキに育っていきます。もちろん、構築済デッキに手を入れずに持ち寄ってそのまま対戦するなど、レベルを合わせた楽しみ方もありますが、巨大は自分のカード資産や趣味予算に合わせてできるだけデッキパワーを上げていきたいタイプなので、今回はまずはマナベースから手を入れていくことにしました。というのもこの「スリヴァーの群れ」、土地が非常に弱いんですよね。5色デッキということから①バランスよく各色をそろえられること、スリヴァーデッキということから②テンポよくマナを出して序盤からスリヴァーを展開していく、という2点が非常に重要になってきます。①については全色土地や全色マナファクト、複数色のマナが出る土地が入っているのでそれなりに達成しているのですが②のテンポがネックになってきます。このテンポの悪さは、タップイン土地を多く採用しているからだと考えられます。例えばこのデッキに収録されている「氾濫原」。タップして生贄に捧げることで平地カードか島カードを持って来れるフェッチランドですが確定タップインです。土地を持ってくるために1点のライフを支払う必要があるもののアンタップインできる「溢れかえる岸辺」の下位互換と捉えることができます。


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多色土地についても同様です。収録されている「まばらな木立ち」は基本土地タイプを持った2色土地ですが確定タップインです。同じく収録されている「燃えがらの林間地」も基本土地タイプを持った2色土地ですが、2つ以上の基本土地をコントロールしていない限りタップインという制約があります。特に今回は5色デッキなので土地の調整をしていくと最終的な基本土地の採用枚数は5~7枚程度になることが予想されます。そうなるとこの条件を安定してクリアすることは難しくなります。ゲーム中いつでも支払うことができるライフを支払うだけでアンタップインできる血の墓所」などのショックランドに入れ替えていくとテンポがよくなってきます。


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3色土地については「開拓地の野営地」などが収録されていますが、こちらは基本土地タイプを持っておらず、フェッチランドで持ってくることができません。基本土地タイプを持っていておまけにサイクリングもついている「ケトリアのトライオーム」などのトライオームと入れ替えるとよいでしょう。


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まだこのデッキは数えるほどしかプレイしていませんが、持っている範囲だけでも上記のカードを調整するとかなりテンポよく、また色事故も少なくマナを出せるようになりました。

ついでにこのデッキに相性のいい土地カードを紹介します。スリヴァー・部族デッキなので「魂の洞窟」と「スリヴァーの巣」です。


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魂の洞窟」は無理だとしても「スリヴァーの巣」はぜひ収録して欲しかったカードですが残念ながら収録されていません。「魂の洞窟」は「イクサラン:失われし洞窟」で再録されることが発表されましたので、これまでよりは手に入れやすくなると期待しましょう。

 

新録カードについて

スリヴァーの群れ」には10枚の新録カードが収録されています。まずはクリーチャー・カードから紹介していきましょう。

スリヴァーの墳母」、「生物学者、ルカルメル」については先ほど紹介したので割愛します。


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スリヴァーの墳母」に続き、さらに5体の新たなスリヴァーが収録されています。まずは「威厳スリヴァー」と「挑発スリヴァー」。


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威厳スリヴァー」は統治者になれる能力を持つスリヴァーです。さらに、自分が既に統治者である場合、スリヴァーを出す度にスリヴァーに+1/+1修正を与える全体強化も強力です。少しだけプレイした感想ですが、スリヴァーを横の展開するデッキプラン上、統治者を維持することは得意なデッキのように感じました。エンド時の統治者ドローで手札を補充できることも魅力です。「挑発スリヴァー」は戦場に出た時にクリーチャー一体を使嗾する能力を持ちます。エルドラージの滅殺を避ける時などに役立ちます。

次は「ラゾテプ・スリヴァー」、「気まぐれスリヴァー」、「孵卵スリヴァー」の三体。


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ラゾテプ・スリヴァー」は加虐2と死亡時のスリヴァー動員2を共有するスリヴァーです。加虐2はスリヴァーを横に展開していればなかなかの圧をかけられると思います。スリヴァー動員2はスリヴァー・トークンでは誘発しない点と、スリヴァー・軍団一体に集約されてしまうため、横への展開力が低いところが少し気になりますね。「気まぐれスリヴァー」は戦闘ダメージを与えるたび、デッキトップを追放し、それをこのターンの間唱えてよいという衝動的ドローを共有するスリヴァーです。スリヴァーを横に展開するためにはドローを強化したり続唱したりして毎ターン1体以上のスリヴァーを展開していくことが望ましいので、その点で貢献してくれそうです。

孵卵スリヴァー」は複製を共有するスリヴァーです。前述した「スリヴァーの墳母」の「あなたのコントロールするスリヴァーにはレジェンドルールは適用されない」能力が強いのでは?というのはこのスリヴァーとの組み合わせによるものです。「孵卵スリヴァー」、「スリヴァーの墳母」、「スリヴァー軍団」が場にある場合「スリヴァー軍団」をコピーし放題になります。そうすると盤面のスリヴァーのサイズが一気に大きくなるので対戦相手を一気にワンパンすることも夢ではありません。なかなか悪用のしがいがあるスリヴァーだと思います。

 

お次はスリヴァーではありませんが「リトヤラのタイタン」。

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いわゆる名誉スリヴァー枠ですね。戦場に出た時に選んだクリーチャー・タイプを自身に追加します。そして、「リトヤラのタイタン」が戦場に出るか攻撃するたびに、戦場にありこれでなく、これと共通のクリーチャー・タイプをもつクリーチャー一体につき一枚ドローし一枚カードを捨てるを選択してもよい、というカードです。このデッキではスリヴァーを選択することで手札をかなり自由に入れ替えることができます。墓地を再利用できるカードと組み合わせるとさらに強力そうですが「偏向はたき」と入れ替えたので今回は不採用。

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次は呪文の「末裔の怒り」と「祖先のために」です。


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末裔の怒り」は赤のエンチャントで、クリーチャー1体以上が対戦相手にダメージを与えるたびにそのクリーチャーを生贄にささげ、そのクリーチャーと共通のクリーチャー・タイプをもつカードがめくれるまでデッキの上から1枚ずつカードをめくり、戦場に出す、という能力を持ちます。スリヴァー・トークンや能力が重複して不要となったスリヴァーを確実に新しいスリヴァーと入れ替えられる能力です。中盤〜終盤にかけてスリヴァーは展開できてるけど決め手に欠けるなぁという時に有効なカードを引っ張ってこれる可能性のあるカードですね。

祖先のために」はフラッシュバックを持った部族ドローカードです。デッキトップ6枚を見てその中にある指定したクリーチャー・タイプを持つカードを好きな枚数だけ手札に加えることができます。スリヴァーをコンスタントに展開していくには手札にスリヴァーを補充することが重要です。フラッシュバックも使えば一気にデッキトップ12枚からスリヴァーを集められます。

 

まとめ

これまで語った通り、豊富なスリヴァーが手に入り、少しの調整で十分戦えるようなデッキが組めるので、今からスリヴァーデッキを組みたい!というかたには「スリヴァーの群れ」はとてもお勧めできる商品です。少し前は価格も高騰気味でしたが、記事執筆時点では少し落ち着いて来たように思います。コレクターブースターサンプルパックも同梱されていてお得なので、ぜひ手に取ってみてください!

 

それでは皆様、よいコマンダーライフを!!